論点コラム住宅の所有形態

賃貸の検針票は見られても、供給先を自分で変えられるとは限らない

集合住宅では、検針票は各戸に届いても、供給契約の名義が大家や管理会社になっていることがあります。入居者が料金を知ることと、供給先を変えられることは同じではありません。確認できた海外研究は世帯の探索や切替を扱っており、日本のLPガスで住宅の持ち方別に交渉や変更の差を測ってはいません。

賃貸で検針票だけが手元にあるとき

戸建てで自分が契約者なら、見積もりや供給先の変更を自分の名義で進められる立場にあります。賃貸や集合住宅では、建物単位の供給契約になっていて、入居者は料金を払っても契約を動かせないことがあります。料金情報を渡したあとに交渉や変更が起きるかは、契約を誰が握っているかと切り離せません。

世帯が供給者を探す研究

英国の都市ガス調査(Giuliettiら、約700人)と、米国テキサス州の家庭電力(Hortaçsuら)は、世帯が代替先を探す・替える動きを扱っています。どちらも導管や系統で届くエネルギーで、建物の所有者や管理会社が供給先を決める日本のLPガス集合住宅は標本に入っていません。

大家や管理会社への相談は測っていない

入居者が地区相場を持って大家や管理会社に相談したあと、供給契約が変わるかどうかの因果効果は、この研究群にはありません。制度として誰に変更権限があるかの説明と、情報提供のあとに行動が変わったという報告は、同じ結果ではありません。

参照した研究

研究記録票 — 出版社ページ

No. R-02
研究
消費者の選択と競争政策:英国エネルギー市場の研究

Monica Giulietti、Catherine Waddams Price、Michael Waterson

標本

英国の家庭用都市ガス利用者約700人への特別調査

報告

消費者が切替に必要と答えた節約額と実際の切替行動から、探索費用と切替費用、既存事業者の市場支配力を報告した。

一次資料(出版社ページ)DOI 10.1111/j.1468-0297.2005.01026.x

発表年2005

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